top of page
検索
  • 執筆者の写真VARY member

南相馬市フィールドワーク研修

更新日:2018年10月30日

2018年8月24日~8月26日

@南相馬市周辺



みなさんこんにちは!

イベント企画VARYの明石といいます。

VARYでは現在、「JR西日本あんしん社会財団」から助成していただき、「防災教育の実践コミュニティをつくる」というコンセプトで防災や災害・教育などをテーマにした様々なイベントの企画・運営などを行っています。

今回は、8/24~8/26に行われました、グループのメンバーによる南相馬市フィールドワーク研修についての記事です。



 

【はじめに】


私たちは、防災教育の実践コミュニティの形成を目標にして様々な活動を行っているグループです。その活動の一つとして、被災地に直接行くことが防災を考える上でまず必要だと考え、今回の南相馬訪問を企画しました。以下は、訪問先の紹介と参加者の感想です。



【みなみそうま復興大学】


大学が一つもない南相馬市にあるみなみそうま復興大学。この大学は、復興支援に思いのある外部の大学などと、地域に思いのある住民・企業・団体などの地域の主体をコーディネートする場です。具体的には、レンタカーの無償貸し出しや、宿泊施設の無償提供などを行っています。今回、私たちは職員の方々にお話を伺いました。


●参加者の声

・お話を聞く中で「"復旧"と"復興"の違い」に注目し、復旧と違い完成したイメージが抽象的な概念を目標に各セクターが取り組みを続けていることから、復興に向けての活動の難しさを強く感じた。

・「地域に大学がない」という南相馬市の地域事情を踏まえた上での幅広い取り組みについて驚かされると同時に、大学が存在することで地域に様々な形で貢献可能な機関であることを、改めて思い知った。



【南相馬市消防・防災センター】


ここには東日本大震災に関するさまざまな展示があります。震災当時の迫りくる津波の写真、時系列に並べられた震災直後の出来事、防災グッズ紹介や防災クイズなどを見ることができます。


●参加者の声

・津波の高さを実際に記した柱があったが、その高さに驚いた。実際にあの高さで津波が来ると考えると恐ろしさを超えて無力感を感じた。

・津波が1分ごとにどんどん襲ってくる写真を初めて見ました。津波から逃げるということがどういうことか少しわかったような気がしました。また時系列順の展示では、一日ごとにどんどん新たな展開となっていくことが写真を使ったりして視覚化されており、当時の緊迫感や情報の錯綜が感じられました。






【南相馬フィールドワーク】


福島には被災当時のまま残された建物がいまだにたくさん存在しています。そのような場所を見学しました。特に小学校は窓ガラスが粉々に砕けてたり、校舎の一階は柱しか残っておらず、現地でしか感じられないような独特の雰囲気に圧倒されました。


●参加者の声

・東北地方を襲った東日本大震災による大津波の被害は、テレビやインターネットなどによる報道で知っているつもりでいたが、実際に現地を訪れてみて改めてその凄惨さを感じた。6号線沿いにある津波浸水標識やうけど小学校やその周辺をみても明らかだった。それと同時に、福島第一原発事故の影響による立入禁止区域や放射線標識もさらに衝撃的であった。

・6号線沿いのまさにゴーストタウンという名前がしっくりくる被災地の様相を目の当たりにしたとき、復旧・復興活動の本質的な難しさに触れたように思えた。南相馬市で見た光景はそうした「復興しつつある被災地の姿」ではなく、「もう二度と過去の姿を取り戻すことのできないフクシマ」であった。そんな光景を目の当たりにし、自分自身は非被災者として、そこから何を考えていけばよいのかわからなくなった。元に戻すことを考えるのではなく、被災者・非被災者の枠を越え、新たに未来の福島を構想していくような取り組みの必要性を感じた。






【ふたば未来学園高 みらいラボ】


ふたば未来学園高校は、震災のために福島県内外へと避難した双葉郡の子供たちが、故郷で学びたいという思いから設立されました。私たちはその高校の中でも、特に「放課後の居場所」となっているみらいラボの見学を行いました。みらいラボでは、NPO法人カタリバの職員や学生ボランティアを中心に、学習支援やキャリア学習、サークル活動の推進などが行われています。みらいラボは、高校生にとって大学生が身近にいるということが実践されている場であり、「自分の行っていた高校にこういった場所があったら…」と考えさせられました。


●参加者の声

・復興に向けての教育事業の可能性と難しさについて考えさせられた。ふたば未来学園には、学力や家庭環境など、様々な観点において多様な生徒が入学してくるという。実際に生徒たちの放課後学習の様子やプロジェクト活動・サークル活動等でアウトプットしたものを見せてもらう中で、(課題先進地域である)被災地という見方によっては(適切な言い方ではないように思うが)教育資源の豊富な地域で学び合うことの意味を実感した。

・親や教師、友達には話せないことでも大学生に本音を打ち明けることができるし、大学についてイメージすることができて大学との距離も縮まるのでそういう環境で過ごしている高校生がとてもうらやましいです。一方で大学生もまたカタリバの高校生と話すことで元気をもらうことができたり自分も頑張ろうと刺激されるのでカタリバは高校生と大学生がお互いに良い影響を与え合うことができる場だと思いました。

・みらいラボにいた女の子1人と話をしたが、その子は社会起業部という珍しい部活に所属していてとても楽しく活動しているとのことだった。また看護師になりたいとのことで医大のオープンキャンパスに行くなどしてきちんと将来について考えることができていて非常に良いことだなと思った。この子はきっと他のところでも自分の将来について考えることができる子なのかなと思ったけど、いざ考えようと思ったときに多くのリソースがある環境が存在することは非常に大事だなと感じた

・スポーツを一番大切にする人、勉強を重点的に進める人など、いろんな価値観の人に触れられる環境がとてもうらやましいです。



【カタリバ職員佐藤 睦さんと交流】


まず初めに、NPO法人カタリバの紹介をしていただきました。その後、みらいラボの説明や自分自身の福島への思い、そしてふたば未来学園高校での多様な子供への教育の難しさなど様々なお話を聞くことができました。活動への熱意を感じさせられるお話で、これからの活動へのいい刺激となりました。


●参加者の声

・途方も無いような状況でも、人と向き合って誰かが前に進むことに携わっている姿にただただカッコいいなと感じた。

・復興に携わる人の熱意や生き方を学ぶことは、一回限りの震災とは違い、何度も繰り返すことができる点で防災意識の維持においてとても効果的だと思った。

・お土産に紹介カードを付けようという話が、ごく自然に実現化にいたるという場面に遭遇し、とても驚きました。復興への取り組みをまさに最前線で行われているということを思い知らされ、私にとってとても貴重な経験になりました



【前川先生(ふくしま学びのネットワーク事務局長)へのインタビュー】


前川先生にインタビューをさせていただきました。前川さんのこれまでの話に始まり、インタビュー終盤には教育や復興などの話にまで広がり、非常に有意義な時間となりました。福島への強い思いが非常に印象的で、私たちがとても引き込まれるような話をしてくださいました。


●参加者の声

・前川先生の「どうして震災・福島のことを忘れてしまったのか」という言葉が耳に残っている。震災当時はあれほどテレビやネットで報道されていたのに、現在は全く目にすることがなくなった。震災から目を背けているのは、私たちであって、懸命に向き合って前へ進んでいたのは間違いなく先生方たちだと思った。

・前川さんは被災地を舞台にした高校生などの子どもたち向けのフィールドワークについて、「自分が行きたい場所、会いたい人」を目的に被災地を訪れることを重要視しているという。それによって、訪れた者にとって様々な学びが得られるというのは、私自身自分でROJEの活動の中でフィールドワークのようなものを設計した際に見落としがちな視点であり、今後の自分の類似の活動に関する重要な指針となった。


▶前川直哉氏

灘中学校・高等学校教諭を辞め、福島で教育支援を行う一般社団法人ふくしま学びのネットワークを立ち上げる。現在は福島大学特任准教授として教鞭をとられている。


 


いかがでしたでしょうか?

このフィールドワークで見たもの・感じてきたものを経験として活かしながら、現在は様々なイベントを企画している最中です!

最後に、僕の方から今後の予定について掲載させていただきます。



<今後のイベントスケジュール>


●10/27:「先生のための防災教室~あなたはどう子どもの命を守りますか?<ダイレクトロード編>~」

・日時:10/27(土)15:00-17:00@弊団体事務所

・プログラム:

防災教育実践「ダイレクトロード」体験会&防災教育テーマトーク

・参加費:無料

防災教育について、優れた防災教育の授業実践を学びながら、防災教育をするうえで重要なことについてもしっかり学べるイベントになっています。

先生や教員志望の学生の方に特におすすめのイベントです!

詳細は以下のリンクより↓


●読書会『復旧・復興へと向かう地域と学校』

12月中に、弊団体の事務所で『復旧・復興へと向かう地域と学校』(青木栄一〔編〕、2015)の読書会を開催します!

災害発生から現在に至るまで、学校や先生にはどういったことが求められてきたのか、どのようなことが必要になるのかなどについて学べるイベントです。

※詳細は後日UPします。


●避難所運営ゲーム企画

1月中に、避難所運営ゲーム体験企画を行います。

災害時の避難所運営の難しさ・奥深さをリアルに体験できる企画です。

※詳細は後日UPします。


●防災教育実践交流会

3月下旬に、過去イベントの参加者を中心に、防災教育に関する実践交流会を行います。

ご自身の実施している防災教育実践を他の人に紹介したり、他の人がどのような実践を行っているのかを学べたりする、交流会やフリートーク形式のイベントです。

※詳細は後日UPします。

※この企画は「JR西日本あんしん社会財団」の助成をいただき企画・運営しています。

閲覧数:49回0件のコメント
bottom of page