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『人が死なない防災』読書会

2018年10月8日(月)

@ROJE関西事務所



NPO法人ROJEの桑田です(^-^)

最近めっきり寒くなってきましたね~。でも今日は、秋晴れのすごく気持ちのいい天気でした!

今回は、2018年10月8日に行われた、防災教育グループの第1回読書会の様子について書いていきたいと思います!

今回はROJE内部向けのイベントとして、読書会を開催しました。

今回の題材は、防災研究者の片田敏孝先生の『人が死なない防災』。

さらっと読める新書でありながら、防災(教育)について考えるうえで大切なエッセンスが凝縮されている良書です!私たちが読んで得るものが特に多かったので、より多くの人に知ってもらいと思い今回の読書会が開催されました。





(出典:集英社新書)



【『人が死なない防災』ってどんな本??】


『人が死なない防災』は、防災研究者である片田敏孝先生による「防災教育」をテーマにした新書です。著者の片田先生は2004年から釜石市の危機管理アドバイザーとして子どもたちに向けた防災教育に取り組んで来られました。2011年3月11日に東日本大震災が勃発し、日本中が恐怖と衝撃に包まれた中で、釜石市の小中学生の生存率99.8%(学校管理下では100%)を記録しました。この「釜石の奇跡」が起こったのは決して偶然ではなく、片田先生が取り組んでおられた防災教育実践、そしてそれに基づく子どもたちの「“主体的な”避難行動」がありました。『人が死なない防災』にはそうした「“主体的な”避難行動」を可能にした防災教育のエッセンスが凝縮されています。防災教育に関心のある人にはまさに必読の書と呼ぶべき価値のある本です!



【読書会の様子】


そんな防災教育について多くの大切なことを示唆してくれる本書を参加者に読んでもらい、その中で参加者が持った感想を切り口にして、ゆるやかに議論を楽しみました。

2018年は関西地区を中心に多くの災害が起こり、また参加者の中にも先日大きな地震に見舞われた北海道が地元の人もいるなど、災害に対して「当事者意識」を感じる方が多かったです。

そんなメンバーで行った今回の読書会。

最大の議論の的になったのは、本書でも最大のテーマになっている「自助」や「率先避難者」といったキーワード。

阪神・淡路大震災の記憶も色濃く残る関西では、防災を考えるうえで「地域コミュニティ」の重要性を説かれることも多いです。

そのためか、コミュニティ内の「助け合い精神(=共助)」と、「自分が助かろうとする主体性(=自助)」には矛盾を感じた参加者も一定数見受けられました。

しかし、片田先生が本書で真に主張するのは、「自助精神に基づいた防災コミュニティ」の形成。

災害発生時、家族や友人など大切な存在がどんな状況にあるのか心配で災害現場に駆け付け、失うはずのなかった命が失われてしまったことが、東日本大震災ではいくつもありました。

そのような悲劇が起きないよう、

「私は自分の命を自分で守るから。だからあなたも、自分の命を守ることを第一優先にして、全力で避難してほしい」

そうした互いの信頼によって、「自分を助ける(自助)によって他者を助ける(共助)」ことを実践するということ。

その重要性を、参加者同士議論を交わす中で再確認することができました^^

また、それ以外にも、

主催者による「正常化の偏見」「ダブルバインド」などといった、災害からの避難行動を妨げてしまう人間の心理特性に関する専門用語の解説や、

古文書や合唱曲から見えてくる災害の記憶・記録など、参加者からの話題提供もあり、読書会はとても盛り上がりました!

最後は、「自分が先生になったときに、どう防災教育と向き合うか」という問いについてみんなで考えました。

社会の授業や運動会などの行事で防災教育に関する取り組みを行っていくという、実践的な知識のシェアもありましたが、

いざ「子どもの命を守る責任」を考え出すと、全員がつい考え込んで言葉に詰まる場面も。

これからも読書会で、参加者のみなさんと一緒に深めていきたい問いですね。




↑読書会の様子です!和気あいあいと議論を楽しみました(^^)



これからも、NPO法人ROJE関西学生事務局では、防災教育をテーマに活動するグループによる読書会を行っていきます!

次回は、『復旧・復興へ向かう地域と学校』をABD読書会という形式で読んでいきたいと思います!


※ABD読書会とは(以下URL参照 http://www.abd-abd.com/


事前に本を読まずとも、気軽に参加可能な読書会になっています(^^)

教育・防災・災害などについて少しでも考えてみたい、そんなみなさんの参加をお待ちしております。ぜひお気軽にお越しください !

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